横浜 税理士の近道
アメリカ貿易赤字それ自体が、いっこうに減ってはいないではないのか。
この一点を見ただけでも、日米貿易摩擦と、その解消のための日本の努力とは、いったい何だったのであろうか。
しかもこの間、為替レートは激変している。
近時の円安・ドル高傾向は、たしかに大問題ではあるが(しかし、スペースの制約上、本稿ではそれは議論しない)、それはたかだか1995年以降のことにすぎず、1971年の固定レート制離脱以降それまでは、一貫して円高・ドル安であった。
そして、円高・ドル安は、本来ならば、日本の貿易黒字とアメリカの貿易赤字を、ともに減少させる要因のはずである。
ところが現実には、それはまったくそうはなっていない。
いったいこれはどうしたことなのか。
議論をはじめの方に戻せば、日本はアメリカの要求通りに内需を拡大し、かつ、規制を緩和して市場を開放した。
「内需拡大」については、バブルを発生させるほどそれをやりすぎたことは、再説の要はないだろう。
「市場開放・規制緩和」についても、その推進論者たちは、「遅々として進んでいない」というだろうけれども、けっしてそんなことはなく、たとえば「大店法」の緩和などを見ても(事の善し悪しさらに、この間アメリカは貿易赤字をファイナンスするために、日本を含む外国から巨額の借金をした。
それに協力するためにアメリカの国債を購入した日本は、円高・ドル安のプロセスで、巨額のキャピタル・ロスをこうむっている。
その迷惑を、いったいアメリカはどうしてくれるのか。
このように見てくると、ここ何年か、アメリカのいうとおりに経済を運営してきた結果として、日本は多くのマイナスを強いられている。
したがって私は、これからの日本経済の運営に関する中長期的な「戦略」としては、脱米こそが最重要なテーマであると、結論せざるを得ない。
なお、この私の主張が、政治的・イデオロギー的な反米とは、まったく無関係であるということを、いそいで付言しておかなければならない。
なお、アメリカは、「内需拡大」と「市場開放・規制緩和」とを日本に要求するに際して、それが日本国民の利益でもあるという主張をしばしばする。
お粗末なりし日本の銀行員最後にもう一度日本の問題に戻れば、結局日本の銀行の不良債権が合計でどれほどあるのかという点は、誰も知らないだろう。
しかし、事態の展開とともに、それが意外に大きいのではないかという点は、ますます明らかになりつつある。
それにしても、日本の銀行家いや銀行員は、いかにもお粗末だったといわざるを得ない。
一例を挙げれば(名指しをするのは、まことに心苦しいが)、いくつかの個人的な思い出もあって、私は、NKとは、なんとすばらしい組織かということに、強い尊敬の念を抱きつづけてきた。
何年か前、その興銀の栄光が地に墜ちたとき、私は、説教好きなのはアメリカの抜きがたい国民性だとしても、「内需拡大」が日本国民の利益だという主張は、やや大げさにいうと、心の支えのひとつを失ったといっていいほど、大きなショックを受けたのである。
以上で展開した議論によれば、はじめから論外である。
「規制緩和」論については、私は、市場経済の威力を認める点で、けっして人後に落ちるものではないけれども、野放しの市場経済が人類にただ幸福だけをもたらすものではないというのもまた、私の強い信念だということをいいたい。
ビッグバンによって開かれた日本の金融市場を外資系金融機関が席巻している。
国際投資銀行分野、そして、1200兆円の個人金融資産市場を抱える投資信託や保険市場分野で勢力を拡大し、次々と日本の金融機関からシェアを奪っている。
こうした外資の襲来に対して、不良債権処理に苦しむ日本勢は、抵抗する財務体力もなく、いくつかの金融機関はグローバル市場から撤収し始めている。
さらには、T銀(Sウォーバーグ)、Yi讃券(Mr)、T生命(GK)、Nk証券(Tz)が、外資の傘下に取り込まれている。
このままでは、帥年代の英国の証券ビッグバンの1200兆円を狙って、すさまじい勢いで日本に「侵攻」してくる外資系金融機関。
果たして東京金融市場は、〃ウィンブルドン“と化すのか撰夷論と開国論結末と同様、日本のビッグバンも〃ウィンブルドン現象〃を引き起こすのではないかと危慎する声も上がり始めた。
つまり、東京金融市場は活性化しても、主要なプレーヤーの地位は、外資系金融機関に占拠されてしまうのではないか?というのである。
そこで、二つの議論が沸き上がっている。
一つは、外資系金融機関を幕末のペリー艦隊の来航に見立てて、黒船襲来へ反発し、日本市場を外資支配の手からいかに守るか検討するべきだと論じる「外資黒船・撰夷論」である。
これと対極にある議論は「欧米礼讃・開国論」である。
彼らは、日本金融市場の効率化は、グローバルに開かれた競争があってこそ実現するものであり、金融技術に優れた青眼の金融機関が、規制保護に甘えていた黒眼の金融機関を打ち破るのに何の問題があろうかと主張する。
さて、撰夷論に組みすべきか、それとも開国論に組みすべきか。
単純に極論に付和雷同するまえに、外資による日本金融市場の席巻の実態と意味合いを考えてみよう。
外資は何を求めて日本市場を襲来しているかレクトセールスを展開し、日本の会社からシェアを奪っている。
またGKに続いて、保険会社の買収を模索している外資もいる。
今後外資の手は、クレジットカード業界、リース業界、中小企業金融・ベンチャーキャピタル、信託事務業務等へも伸びてくることは容易に予想される。
こうした外資の日本市場での地位拡大は何を狙っているのだろうか。
第一に、日本が世界第二の金融市場としてグローバル金融を営むプレーヤーには不可欠な市場であることは自明である。
規模的には図抜けて大きいし、ビッグバンでもっと活性化し、新しい金融商品サービスを導入できるチャンスも拡大すると期待されている。
第二に、もっと直裁的な理由は、今の日本金融ビジネスは儲かるということである。
外資の海外進出の基準は投資収益性である。
いかに市場が大きくても、儲けが少なければ参入することはしない。
従って、外資はコモディティ化した市場には興味をあまり示さないだろう。
単純な株式売買よりはマージンの大きい株式ブロックトレーディここ数年、外資の日本金融市場への新規参入と、旧来からのプレーヤーの業容の拡充の積極さは、目をみはるばかりである。
欧米の主要投資銀行は三大国際金融市場の一つである日本市場での基盤強化のため、ここ3年で資本金や人容を数倍増強してきている。
Yi讃券を得たMr、T銀と提携したSはじめ、GsやMgは、今や株式市場や為替・債券市場では、準大手証券会社をしのぐ実力を持っている。
資産運用市場は外資参入が最も活発である。
投資顧問・投資信託分野の新会社成立はここ数年、年々倍増しているし、外貨建て投資信託の運用額は、この一年で5倍増を記録している。
企業年金市場でも、年金福祉事業団の新規運用分の4割強を外資が獲得している。
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